ヨーロッパへの「日本産カキ（牡蠣）」の輸出とHACCPが果たした役割

春の訪れとともにシーズンが終わる牡蠣（カキ）だが、国内の消費量は減少傾向にある。
一方で、海外では生ガキが人気で消費量は増えている。そのため、広島県を中心とした養殖・加工業者は、生食用の殻付きカキを輸出し、苦境を乗り越えようとしている。カキの国内消費が減少している理由としては、ノロウイルス食中毒の警戒感や家庭でのカキ料理の機会の減少が挙げられる。
また、国内でのカキ生産も減少しており、輸出市場の拡大が期待されている。

カキ消費が減少する中での輸出拡大は、新たな市場開拓のチャンスであるが、食品衛生管理の観点からは注意が必要である。特に、生食用のカキの輸出には、ノロウイルスや細菌による食中毒のリスクが伴うため、適切な衛生管理が不可欠である。加工施設では、食品安全衛生管理システムであるHACCPの遵守が求められる。これにより、食品安全性が確保されるだけでなく、消費者の信頼も得られる。

通常、欧州連合(EU)へのカキ輸出には高いハードルがあるが、今年1月に同社の加工施設などが、EUへの輸出に必要な食品安全衛生管理システム「HACCP(ハサップ)」を遵守していると農林水産省に認定されたことをきっかけに、2月にフランスへ生食可能な殻付きの冷凍カキの輸出を開始したという経緯があるが、これは大変素晴らしいことである。

何が素晴らしいかというと、まずHACCPというシステムによって食品の輸入や輸出がボーダーレスになっている点が素晴らしい。また、これを遵守している同社も素晴らしい。加えて、それをしっかり評価してくれた農林水産省も素晴らしい。素晴らしいを連呼しているが、世界基準の食品衛生管理システムのHACCPはこうして世界をつなぐのである。（最後にもう一度）素晴らしい！

カキの輸出先によっては、独自の規制や基準が存在するため、これらを理解し、適切に対応する必要がある。
たとえば、欧州連合(EU)への輸出では、厳格な基準が設けられており、これをクリアすることがカキ輸出の成功に繋がる。さらに、国内でのカキ消費を増やすためにも、食品衛生管理が重要である。適切な管理を行い、消費者の安心・安全なカキを提供することで、カキの人気回復につながる可能性がある。今後は、国内外でのカキの食品衛生管理に努め、市場拡大に取り組むことが求められるだろう。